今回のテーマ:スキー場の売上向上施策
長野県の白樺スキー協会(仮称)から、「近年スキーの観光客数が減り、儲かっていません。なので、スキー観光客数を増やしたいと思っている」と相談を受けました。
あなたがコンサルタントだったら、どのような案を提案しますか?
以下の参考データを読み、15分程度で検討してください。クライアントは白樺スキー協会の理事会メンバーとします。
【参考データ】
①2020年の日本全体のスキー人口は、最盛期に比べ約1/4になりました。
・スキー・スノーボード参加人口合計の最高値は1998年の約1,800万人。
・毎年減少を続け、2020年は430万人という結果に、
②白樺スキー協会(仮称)は、長野県にある白樺地域の、ホテル、スキー場、その他施設から代表社員が集まった任意団体です。(実際にはない、架空の団体です。)
・エリアには、3つのスキー場、4つのホテル(合計1000室)がある。
・一番古いスキー場は1980年に営業を開始、
・最盛期1998年から、スキー/スノボ客が減り始め売上は1/4に。
・アクセスは、東京から公共交通機関で2時間30分(北陸新幹線75分/バス70分)
・車を利用する場合、4時間程度
・新宿発の高速バス:3500円
・降雪量は毎年問題なく雪の質もパウダースノウで人気
・リフト券の金額は他のスキー場より若干安い。近接のホテルの金額も並。
・湖などの自然も豊かな土地。
・温泉も湧き出ており、ホテルに温泉施設が基本的にはついている。
③コロナウィルスの影響は受けたものの、例年からスキー客は4割程度の減少で、今年は2021~2022年シーズンは例年2割減程度に戻ってきている。
スキー・スノボ売上の売上構成を確認
本来は施策から回答すべきですが、思考プロセスから考えます。
スキー・スノボ市場は例年減少し、衰退期にあることが前提確認済み。
売上を上げるには
・シェアを拡大する
・市場を拡大
の2点のうち、シェアを拡大することを考えます(シェアを奪うだけでは、市場が小さくなる中でジリ貧になっていくことが想定されるため。)
今回、期間の縛りもなく打診があったことから、
短期的施策と、長期施策の2つを検討する。
スキー場の売上の分解/立式
①スキースノボ人口 × ②年間スキースノボ実施回数 × ③白樺スキー場選択率 × ④単価
で考えることができます。
①前述のデータ通り、スキースノボ人口は約400万人ということで、商圏の関東、北陸、東北圏を合わせると200万人程度と想定
②高頻度、中頻度、低頻度の方がいると仮定。
③全国のスキー場は、約100地域程度あると想定し、全体の数字を100で割る(群馬/長野以北の県に、それぞれ約4つずつの地域があると仮定)
④単価(滞在日数1泊2日と想定)
宿泊費+飲食費+レンタル+リフト券+その他買い物など:合計3万円(高頻度の方はレンタル費用がかからないと想定できるが、簡略化のためにそのまま計算。また、日帰りの方も多くいるが、簡略化ためにそのまま間計算。)
頻度 | 回数/年 | 割合 | |
高頻度 | 10回 | 10% | 1200億円 |
中頻度 | 3回 | 20% | 720億円 |
低頻度 | 1回 | 70% | 840億円 |
合計すると2760億円。100で割ると27億円が、1シーズン当たりの売上と想定。
※ホテル側のキャパシティから考えると、1000室×人数(3人)×営業月(4ヶ月)=MAX36万人。平日が3割程度の利用率と考えると大体10万人程度が利用する想定となり。人数としては妥当。
※日本のスキー・スノボ市場規模の実際の市場は、1000億円。ここに、宿泊費などが追加されると考えた場合、ある程度妥当な数字かと想定できる。
※ちなみに、日本の国内旅行消費額はコロナ前で22兆円(うち宿泊が17兆円)。県の数で割ると、1県あたり3000億円程度が年間の消費額となる。若干大きいかもしれないが妥当な数字。
出典:国土交通省観光庁『旅行・観光消費動向調査2020年年間値(速報)』(2 0 2 1 年2月 1 7 日)
https://www.mlit.go.jp/common/001386995.pdf
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約3000字の解説となっています。
コンサルファーム内定者からの解説となりますので、着眼点など吸収していただけると、今後の就職活動において有利に働くかと思います。
こう言った問題を20問以上、公開予定ですので、ぜひご参考ください。
思考力向上/就活でのパフォーマンス向上のお役にたてましたら幸いです。